脾胃気虚

脾胃気弱ともいう。主に脾胃の機能が低下したことによって現れる病証である。

脾胃湿熱

湿熱の邪が脾胃を侵犯し、これによって胃の受納と脾の運化機能が失調すると脾胃湿熱証が出現する。

脾気下陥

人体が健康状態であれば、脾気は正常な昇提を行うことができるが、もし脾気が不足しこれにより昇提が無力となって下陥すると、脾気下陥の病証が出現する。

脾、その華は唇四白にあり「華」とは、栄華光彩という意味。「唇四白」とは、口唇周囲の白肉を指す。

脾喜燥

脾は燥を喜ぶ「喜」とは好む、「燥」とは乾燥の意味。

脾虚

①脾の陰陽・気血の不足により起こる各種の病証を指す。②脾気虚のこと。

脾主運化

脾は運化を主る。

脾主肌肉

脾は肌肉を主る。

脾主後天

脾は後天を主る。

脾主四肢

脾は四肢を主る。

脾主昇清

脾は昇清を主る。

脾主涎

脾は涎を主る。

脾主中州

脾は中州を主る。

脾腎陽虚

脾腎の陽気が虚衰し、温喣および運化機能が失調して出現する病証を指す。

脾統血

脾は血を統べる「統」とは統轄する・コントロールするという意味。

脾の大絡

十五絡脈の1つ。脾臓から直接分かれ出ている大きな絡脈。循行経路は脾臓から出た後、淵腋穴の下3寸にある大包穴にいったん出て胸脇部に散らばる。

脾肺気虚

脾肺の気が不足して出現する病証を指す。

脾痹

「痹」とは、痹証のこと。「脾痹」とは肌痹が慢性化したうえに外邪を受け、邪気が脾まで侵入することによって起こる一連の病証のことである。

脾不統血

人体が健康状態にあれば、脾は血液を統摂して経脈における運行を正常に行う作用をもっているが、脾気が虚して血を統摂する機能が失調すると、血液が経脈の外に溢れ出て脾不統血証が出現する。

脾陽虚

脾陽不足で温喣機能が失調し陽虚生寒となって出現する病証を指す。多くは脾胃気虚が一歩進展して生じる。

脾労

「労」とは虚労のこと。「脾労」とは、五労の1つであり、多くは飲食の不摂生や過度の思慮による脾の損傷に起因する。

鼻鼽

「鼽」は鼻閉・くしゃみを指す。「鼻鼽」は寒冷刺激を受けることによって鼻閉・くしゃみ・鼻汁が生じる病証をいう。

鼻衄

別名を鼻流血・鼻中出血・鼻衄血とも呼ばれる。

肥気

脇下に椀を伏せたような形状の腫塊がみられる病証のことで、長引くと咳嗽・嘔吐・しゃっくり・脈弦細などの症状を伴う。

痹気

「痹」とは「閉塞して通じない」という意味である。

罷極の本

肝臓を指す。「罷」は疲と同意。肝臓は筋の活動を統轄し、筋には運動を主る機能がある。つまり、人体の疲労に耐えうる能力は両者と密接な関係がある。

痹証

「痹」とは塞がって通じないという意味。「痹証」とは、風・寒・湿・熱などの邪気が人体の肌表・経絡・関節などを侵して、気血の運行がスムーズでないか不通になるために、肌肉・筋骨・関節のだるい痛み・痺れ・重だるさ・運動制限・腫脹などの症状を現す病証である。痹証の主な発生原因としては、正気不足や衛外機能失調のため、風寒湿邪または風湿熱邪が虚に乗じて人体に侵入し肌肉・経絡。関節において気血が阻害されるため引き起こされる。痹証の弁証ではまず、風寒湿痹に属するのか、風湿熱痹に属するのかを明確に区別する必要がある。治療法は、祛風・散寒・除湿・清熱・通経止痛などが基本になる。針灸治療は、病変の所在部位にもとづいて、局部の陽経腧穴や遠道取穴を選用して刺針し、さらに灸法を配合してもよい。病邪の性質や病変部位・症候の特徴にもとづいて、風寒湿痹・行痹・痛痹・着痹・風湿熱痹・脈痹・筋痹・肉痹・皮痹・骨痹・五臓痹・心痹・肝痹・脾痹・肺痹・腎痹・攣痹・陰痹・遠痹・血痹・腸痹・胞痹などに分類できる。

微脈

脈象の1つ。微脈と洪脈とは、相対する脈である。微脈は指下に触れる脈の感覚がきわめて細できわめて軟であり、やや力を入れて押えると細い絹糸が切れそうな感じの脈である。

皮毛

体表の皮膚および皮膚に付着する毫毛の総称。皮毛は肺が宣敷する衛気と密接に関係している。

百骸

「百」とは数字の単位ではなく、「たくさんある」状態を形容した言葉である。「骸」とは骨格を指す。「百骸」は人体にある大小すべての骨格を指す。

百節

中医学では「百」を数字の単位ではなく、数が多いという意味で用いる。「節」とは関節を指し、「百節」とは全身の関節を指す。

「標」とは、表面的・根本ではないという意味。これは本と相対する意味で用いられる病態把握のための概念である。

標本同治

標と本とを同時に考慮し治療を施すこと。標本がともに急の証である場合に用いられる方法である。

病機

「機」は機序・メカニズムのことで・事物そのものに内在する法則をいう。

病症

「病」とは疾病、「症」とは症状を指す。「病症」とは疾病と症状を合わせた言い方である。

病証

「病」とは疾病の過程を指す。「証」とは証候を指し、疾病の過程におけるある種の類型、あるいはある段階での病態の特徴のこと。

表虚

表虚証のこと。臨床上、次のことがみられる。外感風寒のうち、特に寒邪による実証と相対する証候としてとらえられるもので、風邪を感受して起こる表証を指す。

表実

表実証のこと。その臨床症状には、悪寒発熱などの表証の症状以外に無汗・頭痛・身体痛・脈浮緊などの特徴的な疾病がある。

表証

六淫の邪が皮毛や口鼻より人体に侵入することによって急性に現れる証候のこと。