中医学基本用語(い)

陰結

陰寒凝滞により大便秘結が引き起こされたもの 寒結 冷秘ともいう

陰蹻脈

奇経八脈のひとつ

「蹻」には足を上げる 足が速い 足が健やかという意味がある

陰蹻脈は身体の左右に分かれていて 対をなすように分布している

任脈と会合することなく 全身の陰を主る働きをもっている

陰維脈

奇経八脈のひとつ

「維」には維持する 連絡するの意味がある

陰維脈には 六陰経を連絡させる働きがあるので こう呼ばれる

陰寒内生

陰寒とは 寒邪は陰に属するため 陰寒 と呼んでいる

内生とは 臓器のこと 臓器の陽気不足により生じた 虚寒をいう

隠痛

耐えることができる程度の軽微な痛みが持続する症状をいう

気血不足 陰寒内生

陰虚すればすなわち内熱す

陰血が不足して陽気を抑制できないために 熱証(虚熱)が生じることを指す

主な症状として

五心煩熱 咽や舌の乾燥 舌質が紅 少苔 脈細数など

因地制宜

地理的環境の違いにもとづいた治療方法の原則

すなわち環境面 異なる地域の環境を考慮することを指す

因時制宜

季節 気候の特徴にもとづいた治療方法の原則

すなわち 四季 気候の変化を指す

因人制宜

個体的要素にもとづいた適切な治療の原則

すなわち ヒトの 年齢 性別 体質 生活習慣などを指す

陰陽

中国古代哲学理論を構成する要素のひとつ

 

最初の陰陽の概念は たいへん素朴なもので

日光に対して向かい合うか 背を向けるかの違いで陰陽が決定された

日光に向かい合うものが 陽

日光に背を向けるものが 陰

古代中国人は まず すべての事物 現象には 正 反 という2つの側面(陰陽)があることを観察した

すなわち 気候の温暖 方位の上下 左右 内外 運動状態における 動静 などである

そしてその観察結果から得られた 陰陽の概念をもって

自然界すべての現象を分類し万物が流転変化する自然界の法則を

陰と陽が相互に対立し

また消長するシステムとして示したものである

 

一般的に

「陽」は軽清 機能 亢進 運動 上昇 など あるいは 熱性 など

「陰」は重濁 形態 衰退 静止 下降 など あるいは 寒性 など

遺尿

尿失禁のこと また3歳以上の小児の寝小便癖のこと

畏寒

「畏」とは畏れること

患者が寒さを感じているが しかし暖房器具とかで暖めていると幾分軽減する症状を言う

陽気不足で温養できないためにおこることが多い

胃熱証

邪熱が胃を犯すか 辛い物や熱性のものを過食することで引き起こされる病証をいう

症状として

胃脘部が痛み灼熱感がある 口渇して冷たいものを喜ぶ 食事の量が突然増加する 食べてもすぐ空腹感がある

口臭 大便秘結 舌紅 苔黄 脈滑数

胃主降濁

胃は降濁を主る

胃の腑の機能のひとつ 「降」は通じ降ろし下降させる意味 「濁」は胃が消化吸収した後の水液と廃用物のこと

つまり

胃には消化の過程を経た飲食物を 胃気によって腸管に過去させる機能があることを説明している

胃実

胃腸の積熱 熱盛により津液を損傷し 胃気が滞り不通になる病証である

胃咳

咳嗽に嘔吐を伴う証候をいう(咳をするたびに嘔吐する状態)