中医学基本用語(き)

気陥

気は健康であれば 昇 降 出 入 を十分におこなうが

元気の不足があれば 上昇させる気機が無力となり 気陥 が出現する

その症状は

めまい 目のかすみ 倦怠感 息切れ 腹部の下垂 脱肛子宮脱 舌質淡白苔白 脈弱

気逆

気機の昇降出入失調の病症のうち 下降すべき 気が 上逆したり 上昇の機能が過度に出現するもの その症状は

肺気では 咳嗽 喘息

胃気では 悪心嘔吐 曖気 吃逆

肝気では めまい 頭痛 吐血など

気鬱

情志の変化により 肝 の条達を失い引き起こされる一連の病証である

症状として

精神抑うつ 情緒不安定 ため息をつく 胸脇苦満 疼痛部位が一定しない 曖気 胃脘部の痞え 食欲不振

便通異常 女性では月経停止 苔薄膩 脈弦

 

平補平瀉法で刺鍼を行う

手の母指 足の拇趾下方にある掌または足裏に連なる筋肉隆々部をいう

その形が魚の腹部に似ているので 漁という

魚際は その魚のキワであるため

小指(趾)側も 小魚という

胸脇苦満

「苦」とはのびやかでない という意味

胸脇部が脹満して塞がりのびやかでない症状をいう

肝経胆経の気機が失調して鬱滞すると 胸脇苦満の症状があらわれやすい

側胸部にあり 腋下から第12肋骨までの区域をいう

脚少陽胆経の循行部

歯 齦 のこと

驚風

手足のひきつけ 意識の昏迷を主症状とする病証である 5歳以下の幼児に多発

7歳以上は少なくなる

虚脈

脈象のひとつ 浮取にて 大にして遅緩であり やや強く押さえると いっそう柔らかく無力となり 空虚な感覚となるもの

虚損

虚労ともいう

臓腑 陰陽 気血損傷 を主な病気とする慢性衰弱性病症の総称である

虚寒

人体の陽気が不足することで生 じた寒証をいう その症状は 畏寒 四肢の冷え 腹痛がして温める押えると喜ぶ 精神不振 息切れ 大便希唐 小便多い 脈微 沈遅無力など

虚熱

陰 陽 気 血 が不足して引き起こされる発熱は どれも虚熱とされる

臨床では 陰虚発熱が多く

その症状は

定時におこる発熱 入眠後の発汗(盗汗)・手足のほてり 口やのどの乾燥 舌質紅にして少苔 脈細数など

虚証

人体の正気が不足して邪気に抵抗するチカラが低下して 生理機能が減退した症候である

奇経

正経とは 異なった経脈のこと 正経の気血が溢れようとすると奇経に流れ備蓄される 奇経には  任脈 督脈 衝脈 帯脈 陰蹻脈 陽蹻脈 陰維脈 陽維脈 の8本があり奇経八脈ともいう

肌膚甲錯

「肌膚」とは 肌肉と皮膚の総称

「甲錯」とは 魚の鱗のような状態をいう

 

皮膚が乾燥して 過度に角化して褐色を呈し 魚の鱗状になっていること

体内に瘀血があることで現れるケースが多い

肌(き) 体表の皮膚 皮下組織 筋肉の総称のこと

気滞血瘀

気滞が出現して 気の推動作用が滞ることにより

血の推動作用も滞り 瘀血が出現すること

多くは 感情の抑うつ 外傷や捻挫などの原因で気機が阻滞して生じる

気虚

生体の元気が不足してあらわれる病症を示す

症状としては

めまい 目が眩む 息切れ 話をしたがらない 倦怠感 自汗 活動をしたがらない 舌質淡紅 脈虚無力

気滞

気機が阻滞してスムーズに流れなくなって出現する病症 該当部位には 脹悶感・疼痛などの症状があらわれる

気機

気の機能活動のこと 機能活動とは 気の昇降出入という運動の形であらわれる

人体を構成し、人体が生命を維持するための基本的物質の1つ

気は、生成過程や機能の違いによって 原気 営気 宗気 衛気 に分けられる