中医学基本用語(し)

実脈

脈象のひとつ 相対する脈は 虚脈 脈来は軽取しても押さえても強く 

すなわち 浮 中 沈 の三位とも出現する 大きく 長く やや弦の象を感ずる

熱邪亢盛 熱邪鬱積によりおこる

傷暑

夏に暑邪に侵されておこる病証のこと

陽暑と陰暑とわけられる

多汗 身熱 心煩 口渇 呼吸促迫 四肢倦怠 小便赤色にて渋るなどの症状

傷暑は中風の軽症であり 適切な診断処置が必要となる

小便清長

「清」とは澄んでいる「長」は量が多いこと

小便の量が多く澄んでいること

腎陽不足のため気化機能が失調して起こることが多い(腎陽虚証)

小便不利

排尿困難をさす

心煩

胸の中の煩悶をいう

津傷

津液不足のこと

歯痕舌

舌体の辺縁部に歯の跡がついているもの

舌体が胖大となって口に充満しているために 歯の圧迫を受けて起こるものが多い(つまり胖大を伴っている)

舌質淡白 舌体胖大 歯痕があるものは脾虚または気虚によるものが多い

※歯並びがよくて胖大歯痕があるものは病的なものと考えられるが 歯並びが悪く舌を圧迫するものはよく思案を必要とする)

衄血

外傷を伴わず生じる 外部出血病証をいう

熱邪のために脈絡から血液が溢れ出ることがおおい

耳衄...少陽経

眼衄...足厥陰経

鼻衄...手太陰経

舌衄...手少陰経

歯衄...足少陰経

肌膚衄...足太陰経 ※ ただし臨床では脾気虚の不統血によりおこるケースが多い

七情

内傷雑病の主要病因のひとつ 喜 怒 憂 思 悲 恐 驚 の7種類のこと

膩苔

舌苔の苔質顆粒が細かく密となり 舌面に歯磨き粉を塗ったような外観をして

同時に粘液が覆っているような苔をいう。

舌苔が白で滑膩は 湿濁 寒証 のものが多い

舌苔が黄厚膩は 痰熱 湿熱 食滞 のものが多い

傷食

飲食物が胃に停滞して 腐熟と下降ができない状態のこと 暴飲暴食や過度の飲食などにより 急性発症する

実熱

七情鬱熱 五志過極 などの陽気化火 および熱邪の侵襲などでおきる 発病は急激で 経過も短く病勢も短い

焦燥

いらだちあせること

湿熱

湿邪と熱邪が結合して身体を侵襲する病証 多くは湿邪が蘊結して化熱することで生ずる

湿熱下注

湿邪と熱邪が下焦に停滞して陰部に病証をひきおこすこと

子煩

妊娠心煩のこと 子煩は古い呼称

妊娠後 激しい心悸 ビクビクして臆病になる 精神煩悶 怒りっぽいなどの症状を言う

体質的な陰虚傾向のあらわれ

子痛

妊娠腹痛のこと

子午流注

古代鍼灸取穴法学説の1つ 対立する陰陽を代表する名詞でもある

子午は陰陽の起点であり境界でもある

流注は水の流れが注ぎ込み また出ていくこと

人体の気血が経脈を循環している過程を表している