五臓のうちの1つ。肺は胸腔内に左右一対をなす形で存在する。肺の主要な生理機能は、気と呼吸、宣発と粛降を主ることであり、また水道を通調することである。

肺為華蓋

病邪が人体に侵入するとまず肺が侵される。それによって肺は諸臓を外邪の侵襲から保護しているのである。

肺為水士之上源

体内の水液は肺気の宣発作用によって汗として体外に排出される。また水液は肺気の粛降作用によって下方に送られ膀胱で尿となり、膀胱の気化作用によって体外に排出される。水液代謝はこのほか、脾の運化・腎の気化・三焦の通調して作用することによって完成する。

肺為貯痰之器

肺の機能が失調すれば、水液代謝の調節ができなくなり、水液が正常に排泄できず肺に停滞するため、痰は肺の機能に影響を与えるため、咳嗽・気喘・喀痰・胸悶などの症状が起こる。

肺陰

肺津ともいう。肺を滋潤する津液のこと。

肺陰虚

肺陰が不足して出現する病証を指す。

肺気虚

咳喘が長期にわたって続くことにより肺気が消耗するか、または脾胃虚弱で気の化生が不足するために肺気が虚損して生じる病証を指す。

肺痹

「痹」とは痹証のこと。「肺痹」とは皮痹が慢性化したうえに外邪を受け、邪気が肺に及んで起こる一連の病証のことである。

白苔

舌苔の色が白色のものをいう。

八会穴

臓・腑・気・血・筋・脈・骨・髄のそれぞれの精気が集まる部位の腧穴で、多くは体幹部に位置している。

八脈交会穴

任・督・衝・帯・陰維・陽維・陰蹻・陽蹻の八脈が一二経脈と交会する所にある8個の腧穴で、いずれも手関節あるいは足関節の上下に分布している。

八綱弁証

「八綱」とは陰・陽・表・裏・寒・熱・虚・実の8種類の証候を弁別あるいは識別することである。陰陽・表裏・寒熱・虚実の8種類の大綱を運用して、証候の弁別・識別を行っていく臨床上の方法論を「八綱弁証」という。

八法

八綱弁証にもとづいて構築された8種類の治療方法、すなわち汗・吐・下・和・温・清・補の8種類の治法のこと。

反関脈

生理的に特異な脈位を指す。これは橈骨動脈の解剖的位置の変位による。

燔針焠刺

火針烙法のこと。

反治

反治とは、正治と相反する治法である。

煩熱

「煩」は心煩・煩躁のことで、「熱」は発熱のこと。「煩熱」とは発熱と同時に心煩や煩躁があることをいう。

半表半裏証

少陽病のこと。