急性の発疹性感染症の1つである。本病の多くは、癘気を感受し、邪が口や鼻から入って肺と脾の2つの経路を浸し、体表の防御機能が失調したために邪毒が肌膚に外発することによって発症する。本病は乳幼児に多発する。症状として、前駆者には、発熱・咳・くしゃみ・鼻汁・目の充実・まぶしがる・涙が溢れる、などが現れる。2~3日後には、口膣の頬粘膜の第1臼歯に面する部位に粟粒状の白点(コプリック斑)が現れ、その後口膣全体に広がる。3~4日発病が続いた後、発疹期には、まず耳後部に針尖大の紅色皮疹が現れ、以後頭・顔・胸・背および手足にも皮疹が出て、さらに高熱が出る。回復期には、次第に皮疹が消失して熱が下がり、その他の症状も回復に向かう。皮疹が出ていた部分には茶色の瘢痕が残り、2~3週間で消失する。治療原則は、前駆期に透疹を主に、発疹期には清熱解毒を主に、回復期には益気養陰を主とする。針灸治療では、手の太陰経・手足の陽明経の気血を疏通させる。臨床上は病状の軽重にもとづき、順証麻疹と逆証麻疹に分類する。